会話で決めた内容を実装担当者へ渡す
要件を話し合っても、決定事項が会話の各所に分散していると、次の担当者はログを読み直す必要があります。implementation-briefは、その会話や意思決定メモを、確定事項・提案・未決事項が分かる実装指示書へ整理するCodex Skillです。
implementation-brief Skillとは
出力は会話へのMarkdownの応答です。ファイル保存や実装は別の依頼として扱います。入力情報がない場合は、意思決定メモを求めます。
確定事項だけを正本にする
implementation-briefは、ユーザーが確認した事実と意思決定だけを確定事項として扱います。内容は次の3種類に分類します。
表は横にスクロールできます
| 会話にある情報 | 実装指示書での扱い |
|---|---|
| ユーザーが確定した判断や事実 | 確定事項として直接記載する |
| 実装に役立つ推測や提案 | Recommendationと理由を付ける |
| 不足している情報や未解決の判断 | 「未決事項」に置き、推測で埋めない |
たとえば、ユーザーが「CSV出力を追加する」と確定していても、文字コードや出力上限が決まっていなければ、その値を確定要件にはしません。一般的に使われる値を提案する場合も、Recommendationとして確定事項から分離します。
11セクションの順序を固定する
出力する実装指示書は、次の11セクションで構成します。日本語の会話では、見出しも日本語にします。
- 実装指示書のタイトル
- 目的と成功条件
- 背景
- 確定要件
- スコープ(対象・対象外)
- 実装方針
- 既知の影響領域
- 制約とエッジケース
- 受け入れ条件
- 検証
- 未決事項
章立てを固定したのは、長い文章を毎回同じ形に整えるためだけではありません。実装担当者が「何が決まっていて、何がまだ決まっていないか」を同じ場所で確認できるようにするためです。
各事実は、最も関連する1つのセクションにだけ記載します。受け入れ条件には観測できる結果を書き、検証にはその結果を確認する方法を書きます。
未決事項を増やしすぎない
未決事項へ置くのは、実装開始前にユーザーが決める必要がある判断です。ファイルの場所や既存関数の名前など、リポジトリを調べれば分かる事実は、ユーザーへの質問にしません。
インストール方法
implementation-briefは、株式会社織翔のCodex Plugin Marketplaceで公開しています。Plugin機能に対応するCodex CLIで、次の2つのコマンドを順に実行します。
codex plugin marketplace add orito-inc/codex-plugins
codex plugin add implementation-brief@orito
1つ目のコマンドは、GitHubで公開しているorito MarketplaceをCodex CLIへ追加します。2つ目のコマンドは、そのMarketplaceからimplementation-brief Pluginをインストールします。インストール後は、新しいCodexセッションを開始してください。
2026年8月27日時点では、GitHubリポジトリを通じて誰でも手動インストールできますが、OpenAI公式のPlugins Directoryには掲載していません。そのため、公式Directory内の検索ではなく、上記のMarketplace追加から導入します。
使い方
同じ会話なら、要件整理を終えた時点で$implementation-briefを呼び出します。grill-meなどを使った場合も自動実行にはなりません。別の会話では、次のように確定事項を渡します。
$implementation-brief
以下の意思決定メモから実装指示書を作成してください。
- 管理画面の受注一覧にCSV出力を追加する
- 現在の絞り込み条件を出力へ反映する
- 管理者権限の利用者だけが実行できる
- 文字コードはUTF-8(BOM付き)とする
- バックグラウンド送信と定期実行は対象外とする
- 1回の出力上限は10,000件とする
- 10,000件を超えた場合の扱いは未決定
出力例
上のメモを整理した記入例です。共通の仕様にはIDを付け、同じ数値や条件を複数の章へ再掲しない形にしています。
# 実装指示書: 受注一覧のCSV出力
## 目的と成功条件
管理者が一覧の検索結果をCSVとして取得できる。判定は「受け入れ条件」に従う。
## 背景
業務上の背景は入力メモに記載されていない。
## 確定要件
- R1: 管理画面の受注一覧にCSV出力を追加し、現在の絞り込み条件を反映する。
- R2: 管理者権限の利用者だけが実行できる。
- R3: 文字コードはUTF-8(BOM付き)とする。
- R4: 1回の出力上限は10,000件とする。
## スコープ
対象はR1〜R4。バックグラウンド送信と定期実行は対象外。
## 実装方針
Recommendation: 既存の一覧の検索処理を再利用できるか調べる。
理由: 画面とCSVで抽出条件がずれる可能性を減らせるため。
## 既知の影響領域
対象画面はR1に記載。具体的なファイルと呼び出し元は実装前に調査する。
## 制約とエッジケース
上限超過時の挙動は未決定。「未決事項」を参照する。
## 受け入れ条件
- R1: 絞り込みに一致する受注が、過不足なく出力される。
- R2: 権限のない利用者にはCSVを返さない。
- R3: ファイルの符号化と先頭バイトが指定どおりである。
- R4: 上限以内の対象件数では欠落・超過なく出力される。
- 上限超過時の条件は、未決事項の合意後に追加する。
## 検証
- R1: 複数の絞り込み条件で、一覧とCSVの対象受注を照合する。
- R2: 管理者と管理者以外で出力の可否を確認する。
- R3: 出力ファイルのBOMと文字化けの有無を確認する。
- R4: 上限ちょうどの件数を出力し、欠落・超過がないことを確認する。
## 未決事項
対象データが上限を超えた場合、エラーにするか、先頭の上限件数だけを出力するか。
実装前に確認すること
- 入力で確定した事項が抜けていないか
- 提案に理由が付き、確定要件と区別されているか
- 未決事項を推測で埋めていないか
- 受け入れ条件に観測できる結果があり、検証方法が対応しているか
このSkillを作ったきっかけは、一般的な要約では章立てが揺れたり、入力にない実装案が混ざったりしたことです。11項目の順序と分類を指定していますが、出力を保証するものではありません。重要な判断が残っていれば、実装前に解消してください。
意思決定メモには必要な情報だけを含め、APIキー、Cookie、顧客の個人情報は貼り付けません。要件自体が膨らんでいる場合は必要な範囲を絞るminimalist、ほかの導入候補はSkill/Pluginの紹介を参照してください。
参照元
確認日: 2026年8月27日
- OpenAI「Skills & Plugins」
- OpenAI「Build skills」
- OpenAI「Build plugins」
- 株式会社織翔「Orito Codex Plugins」
implementation-briefSkillのSKILL.md(2026年8月27日時点)- 検証環境で使用した
grillingおよびgrill-meのSKILL.md(2026年8月27日時点)