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株式会社織翔
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システム開発の工程が一気にわかる|要件定義から移行・保守まで実務目線で解説

システム開発の7工程を目的・成果物・承認者・完了条件で整理。小規模改修の要件・画面・受入条件・移行判定を一つの資料にまとめる記入例を紹介します。

#システム開発#工程#成果物#要件定義

執筆・監修:

システム開発の工程は成果物と承認でつなぐ

システム開発では、工程名だけを並べても、誰が何を確認すれば次へ進めるのかが分かりません。各工程について、目的、最小成果物、承認者、完了条件を一緒に決めると、発注者と開発者の認識を揃えやすくなります。

IPA「共通フレーム2013」は、システム、ソフトウェア、サービスの構想から開発、運用、保守、廃棄までに必要な作業項目や役割を、共通の枠組みとして整理しています。IPAの現行SLCP案内では、国際規格の改訂とともに、上流工程や運用から上流へのフィードバックも重視されていることが説明されています。

本記事の7工程は、小規模から中規模のWebシステム開発で合意点を見つけやすくするための実務整理です。共通フレームがこの工程名や順番を一律に推奨している、という意味ではありません。開発手法や契約、システムの重要度に合わせて、成果物の粒度と承認方法を調整してください。

7工程を一つの表で確認する

承認者は個人名ではなく、その成果物を業務・技術・運用の観点から判断できる役割を置きます。兼務する場合も、どの立場で承認したのかを記録します。

表は横にスクロールできます

工程目的最小成果物承認者完了条件
企画解決する業務課題と投資判断の前提を揃える目的、対象業務、現状課題、制約、判断基準事業責任者目的、対象、対象外、継続判断者が合意されている
要件定義利用者が必要とする機能・品質・運用を合意する要件一覧、業務フロー、受入条件業務責任者、発注責任者要件ごとの優先度、確認方法、未決事項が記録されている
基本設計利用者から見える仕様とシステム境界を具体化する画面一覧、画面遷移、外部連携、権限、データ概要業務責任者、技術責任者要件と画面・連携・権限の対応が確認されている
詳細設計・実装実装可能な構造へ分解し、動く成果物を作る実装方針、コード、変更履歴、レビュー記録技術責任者設計との対応、レビュー、静的検査が完了している
テスト要件と受入条件を満たすか確認するテスト計画、テストケース、結果、未解消事項品質責任者、業務責任者受入条件を確認し、残課題の扱いが合意されている
移行業務とシステムを安全に本番へ切り替える移行手順、切戻し手順、移行判定、連絡体制業務責任者、運用責任者実施可否、切戻し条件、担当者、連絡先が確認されている
運用保守稼働後の監視、問い合わせ、障害、変更を管理する運用手順、連絡先、権限台帳、変更・障害記録運用責任者、システム責任者定常作業、異常時対応、変更受付、終了条件が引き継がれている

費用と作業範囲を先に揃える場合は「システム開発の見積もり」、運用保守で受け渡す情報は「システム保守の引継ぎチェックリスト」も参照してください。

小規模改修で使う一枚の記入例

工程ごとに別の資料を作る必要はありません。次は「問い合わせフォームに確認画面を追加する」という仮定の改修例です。要件、画面、受入条件をIDで結び、移行時に必要な未決事項を同じ資料へ残します。実案件では、既存の仕様と承認方法に合わせて記入してください。

案件: 問い合わせフォームの確認画面追加(仮定例)

要件 R1:
  利用者: 問い合わせフォームの利用者
  目的: 送信前に入力内容を確認・修正できる
  対象: 確認画面と、入力画面へ戻る操作
  対象外: 入力検証・送信先・保存先の変更
  前提: 既存の送信処理と表示部品を利用する
  承認者・承認日: 未決定/未承認

画面 S1(R1に対応):
  画面名: 問い合わせ内容の確認
  表示: 入力済みの問い合わせ内容
  操作: 「戻る」で入力画面へ、「送信」で既存送信処理へ進む
  エラー表示: 既存の送信失敗時の表示方法を調査して合意する

受入条件 A1(R1・S1に対応):
  前提: 必須項目を入力済み
  操作: 確認画面から「戻る」を押す
  期待結果: 入力内容を保持した入力画面へ戻り、修正できる
  確認環境・判定者: 未決定
  判定結果・証跡: 未実施

移行判定:
  対象・予定日時: 未決定
  業務停止・制限: 未確認
  バックアップ・反映手順・移行後の確認: 未確認
  切戻し条件・手順: 未決定
  実施可否の判定者・連絡先: 未決定
  判定日時・結果: 未実施

未決事項:
  - 既存送信処理のエラー表示と再操作時の挙動
  - 確認環境、承認者、移行手順、切戻し条件
  各項目の担当者・確認期限: 実施前に決める

受入条件は一例です。送信成功、入力不備、二重操作など、変更が影響する条件を追加して確認します。未確認欄が残っているこの例を、そのまま移行承認済みとして使ってはいけません。

工程を省略するときのルール

小規模な改修では、工程ごとに別の文書を作る必要はありません。上の例のように関連する情報をまとめます。ただし、次の情報は省略しないようにします。

  • 何を対象にし、何を対象外にしたか
  • 誰が承認するか
  • どの条件で完了とするか
  • 未決事項と残課題を誰が引き取るか
  • 障害時に誰が止め、切り戻すか

AIや業務改善のPoCも本開発と同様に、目的、成果物、承認者、完了条件が必要です。PoCから本番化へ進む判断は「中小企業DXの業務選定と評価」の評価表と組み合わせると整理しやすくなります。

参照元

確認日: 2026年8月27日