開発用AIは、修正を終えるまでのコストで選ぶ
開発エンジニアがAIモデルを選ぶなら、APIの単価に加えて、やり直しとレビューにかかる時間を見たいところです。安いモデルでも修正を何度も繰り返せば費用は増え、最上位モデルでも単純な変更には能力を使い切れないことがあります。
この記事では、日常の開発で比較する候補としてGPT-5.6 Terra、GPT-5.6 Luna、Claude Sonnet 5を取り上げます。まず普段使っている環境で代表的な作業を試し、API料金と、人が修正・レビューする時間を記録する方法を推奨します。同じ単価でも、完了までの試行回数で総費用が変わるためです。
以下は2026年9月9日に公式資料で確認した仕様と料金に基づく、用途別の選び方です。独自ベンチマークによる性能順位ではありません。
比較する3モデルとAPI料金
金額は100万トークンあたりの米ドル、通常の同期API利用、キャッシュなしの入力と出力です。OpenAIは入力が272Kトークン以下の短いコンテキストの料金を掲載しています。Batch、優先処理、キャッシュ、ツール利用料などは含めません。
表は横にスクロールできます
| モデル | 入力 / 出力 | この記事で勧める用途 |
|---|---|---|
| GPT-5.6 Terra | $2.00 / $12.00 | 日常の実装・不具合修正の基準にするモデル |
| GPT-5.6 Luna | $0.20 / $1.20 | 変更箇所と期待結果が明確な小さな作業 |
| Claude Sonnet 5 | $2.00 / $10.00 | Claudeを使う開発環境での日常の実装・レビュー |
料金の出典はOpenAI APIの料金表とClaude Sonnet 5の公式資料です。Terraは知能とコストのバランス、Lunaはコストを重視する大量処理を想定しています。用途欄はこの位置付けからの編集上の提案です。
たとえば入力1万・課金対象の出力2千トークンを1回使うなら、単純計算ではTerraが$0.044、Lunaが$0.0044、Sonnet 5が$0.04です。ただし、同じ依頼でも生成量やツールの往復回数はモデルごとに変わります。この計算は1件の開発費用の予測ではなく、同じトークン数で比較した例です。
また、API料金とCodexやClaude Codeの月額プランは別の尺度です。定額プランでは利用枠の消費、上限、追加課金の条件を確認し、この表をそのまま月額料金へ換算しないでください。
同じ作業と完了条件で比較する
文言修正、既存機能へのテスト追加、複数ファイルにまたがる不具合修正など、普段の作業を数件選びます。同じ開始状態・依頼・完了条件で実行し、料金、所要時間、テストの成否、人が直した箇所を記録します。小さな作業でも、変更箇所と期待結果を明確にしてください。
推論設定も記録し、モデルの変更と同時に変えないようにします。highを選べるモデルでも、手戻りや総費用が減るとは限りません。必要な品質を満たすかを確かめながら、思考量と待ち時間を調整します。同じ設定名でもモデル間で思考量が等しいとは扱いません。
利用できる設定は、Codexの設定リファレンスとClaudeのeffort仕様で確認できます。
モデル変更の前に、依頼の情報を整える
入力が曖昧だと、どのモデルも調査の往復が増えます。対象、再現手順、期待する結果、触ってよい範囲、実行すべき確認コマンドを渡しましょう。
通信の不具合なら、NetworkタブのHARをAIへ渡す方法が役立ちます。依頼外の機能追加や独自設計が増える場合は、minimalistとconformistの使い分けも検討できます。